行動制限のない夏休みは多くの観光客で観光地は賑わいました。
やっと旅行需要が戻ってきた状況ですが、まだ需要が回復していないのが外国人観光客です。
新型コロナの感染が拡大する前、日本には1か月でおよそ200万人の外国人観光客が訪れており観光地は外国人観光客でいっぱいになりホテルが足りない状況でした。
感染拡大を受けて2年あまりにわたって受け入れが中断されました。2022年6月に受け入れ再開されましたが、外国人観光客は、1か月1万人以下の状況です。
外国人観光客のインバウンドの需要の今後の動向について解説します。
水際対策の緩和
新型コロナの水際対策をめぐり、観光目的の外国人の入国制限を緩和されます。
大きな変更点として、これまで添乗員付きのツアーに限定していましたが、添乗員がいない場合も認める方針です。
2022年6月から観光目的の外国人の入国受け入れを再開しましたが、すべての入国者にビザの取得を義務づけているほか、添乗員付きのツアーに限定していました。また、政府が定めた感染対策のガイドラインを守るよう求めているので外国人観光客にとっては厳しい条件でした。
添乗員付きのツアーは行動の自由度が低く、欧米の旅行客は個人旅行が多いことも外国人観光客が少ない要因でもありました。
1か月でおよそ200万人までいた外国人観光客は約7900人と感染拡大前の水準を大幅に下回っています。
「本来なら日本で旅行したいが、日本の入国制限が厳しいため他国へ向かう」という人が相当数いるとされています。
添乗員なしのツアーも入国可能に
これを受け2022年9月からは、政府は添乗員付きに限定しているツアーを、添乗員がいない場合も認めるようになります。
しかし、引き続き個人旅行は認めず、ツアーを手配する旅行会社などがスケジュールを管理した旅行に限ります。
また、感染者が出た場合の対応などについても、ガイドラインを守るよう求めるとしています。
このため、旅行会社によりますと、特に個人旅行を好む欧米の旅行者からは、「ディナーの時まで添乗員が同行するのか」とか「監視されているように感じる」などといった声も寄せられていて、日本での観光を取りやめたり、より緩和が進んでいるほかの国に行き先を変更する動きも出ていたということです。
陰性証明提出が不要に
日本への入国にあたってはビザの取得と新型コロナの陰性証明の提出が必要で、手続きに時間や手間がかかります。
入国者総数、出国前検査、入国時の検疫対応などの各種措置について今後さらに緩和する方針です。
日本人を含むすべての入国者に求めている陰性証明書の提出について、9月7日から3回目のワクチン接種を条件に免除されます。
入国人数の上限が５万人に
9月以降、水際対策をさらに緩和し、一日当たりの入国者数の上限を今の2万人から引き上げる方向で調整を進めてて、5万人とする案も出ています。
「G7＝主要7か国並みの円滑な入国が可能となるよう、内外の感染状況やニーズ、主要国の水際措置などを勘案しながら、段階的に緩和を進めていく方針だ。検疫体制の整備を進めて、感染状況を踏まえながら速やかに公表していきたい」と述べています。
円安も外国人に追い風になるか
外国為替市場で円安が進んでいることは外国人観光客にとっては日本の旅行や買い物が安くなるというメリットがあります。
日本の観光地や百貨店などは、外国人観光客が従来以上の買い物をして、たくさんのお金を使ってくれることを待ち望んでいますが、日本国内での感染拡大に加え、インバウンドの多くを占めてきた中国での徹底した「ゼロコロナ政策」の影響もあり、今のところは円安の恩恵を受けていません。
今後のインバウンドの拡大すれば、大きな外貨が日本で使われることもあり外国人観光客には大きな期待があります。
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